深刻化する介護職員不足|最新調査から見る現状と今求められる対策とは



介護人材不足は依然として深刻であり、2024年度の「介護労働実態調査」で、全国の介護施設における“介護職員不足”の深刻さが改めて明らかになりました。不足感は69.1%、特にホームヘルパーにいたっては83.4%と極めて高い水準です。物価高騰や他産業との人材獲得競争が進む中、現場の疲弊は加速しています。本記事では、最新調査をもとに介護職員不足の実態を紐解き、その原因や影響、今すぐ取り組むべき解決策までをわかりやすく解説します。施設経営者や人事担当者にとって、早期対応のヒントとなる内容です。今すぐ取り組むべき打ち手を整理することで、人手不足に悩む現場の改善につながる一助となるでしょう。


1. 最新調査が示す「介護職員不足」の実態


1-1 69.1%が「不足」と回答した背景

介護労働安定センターの2024年度調査によると、「大いに不足」「不足」「やや不足」と回答した事業所は全体の69.1%に上り、前年度から3.1ポイント上昇しています。とりわけ訪問介護におけるホームヘルパー不足は83.4%とさらに深刻です。現場では常に人手が足りない状況が続き、職員一人ひとりの業務負担が増加しています。


2025年7月28日発表 
公益財団法人介護労働安定センター「令和6年度「介護労働実態調査」結果の概要について」より
https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/R6_jittai_chousa_press.pdf


1-2 介護人材不足が強まる3つの要因

①物価高騰により運営コストが増加し、人件費に十分な配分ができない。

②他産業との人材獲得競争が激化し、介護業界が選ばれにくくなっている。

③政府の支援策が現場のスピードに追いつかず、抜本的な改善に至っていない。


2. なぜ「介護職員 不足」はここまで深刻化したのか


2-1 処遇の課題:賃金と労働環境

介護職員の平均給与は全産業平均より低く、身体的・精神的負担の大きい現場において“割に合わない”と感じる人も多くいます。離職の大きな要因となっており、人材の定着を妨げています。夜勤や休日出勤といった不規則な勤務も、職員の継続勤務を難しくしています。


2-2 担い手の高齢化と若年層の敬遠

職員の高齢化が進む一方、若年層は「長く続けられる仕事ではない」と感じ、新規参入が進みにくい構造になっています。専門職としての認知や評価がまだまだ社会的に低いため、若者の就職先として選ばれにくい現実もあります。


3. 介護職員不足がもたらす影響


3-1 サービスの質・安全性の低下

職員1人当たりの負担が増えることで、ケアの質やミスのリスクが高まり、利用者本人だけでなく家族からの不信感も募りやすくなります。慢性的な疲労や精神的ストレスが事故やヒヤリハットの温床になっている施設も少なくありません。


3-2 在宅介護の継続が困難に

訪問介護職員の不足は、在宅で暮らしたい高齢者にとって重大な問題です。受け入れ態勢の崩壊が始まれば、介護離職や入所待機者の増加が現実のものとなります。利用者とその家族の生活の質に直結するため、早急な改善が求められます。


4. 今すぐできる介護職員確保の対策


4-1 定着率アップのカギは“職場づくり”

業務の可視化、適正な人員配置、相談しやすい環境づくりなど、働きやすさの改善が不可欠です。短期的には離職の抑制が、長期的には信頼される職場ブランドの形成につながります。リーダーや中堅職員の育成も、定着率に大きく影響します。


4-2 外国人介護人材の活用

技能実習や特定技能制度を活用した外国人介護士の採用が、現実的な選択肢として注目されています。言語・文化の壁を乗り越えるサポート体制を整えることで、長期的な戦力として定着が期待できます。介護福祉士取得の支援制度なども活用すべきです。


5. 政策・補助金制度を活用した支援策


5-1 処遇改善加算・ベースアップ加算の活用

介護職員の賃上げにつながる加算制度は積極的に申請・活用し、職員のモチベーション向上と離職防止を目指しましょう。制度の理解不足や手続きの煩雑さで活用できていない事業所も多いため、外部支援を活用するのも一つの方法です。


5-2 ICT・ロボット導入で業務効率化

職員の負担を減らすには、ICTや見守りセンサー、移乗サポートロボットなどの導入が有効です。初期費用を抑えるためには、自治体の補助金・助成金を活用するのがポイントです。デジタル技術は単なる効率化だけでなく、職員満足度向上にも寄与します。


介護人材不足のまとめと今後の展望

介護職員の不足は、もはや一部施設の課題ではなく業界全体が直面する“構造的問題”です。2024年の調査結果が示す通り、問題は年々深刻化しています。しかし、原因を正しく理解し、国の支援策や現場での取り組みを組み合わせれば、状況の改善は十分可能です。今こそ“人材確保”から“人材定着・育成”へと舵を切るべき時期です。職員が安心して働き続けられる環境を整えることが、持続可能な介護サービスの第一歩となります。

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